2012年12月06日
『高熱隧道』 吉村昭著
『高熱隧道』 吉村昭著
岩盤最高温度165℃。そこは人が手を出してよい場所だったのか……。ダイナマイトの自然発火、前代未聞の怪惨禍「泡雪崩」黒部第三発電所隧道建設を背景に、人間が自然に挑んだぎりぎりの闘い、極限で生きる人間を描いた感動の記録文学。
黒部第三発電所――昭和11年8月着工、昭和15年11月完工。人間の侵入を拒み続けた嶮岨な峡谷の、岩盤最高温度165度という高熱地帯に、隧道(トンネル)を掘鑿する難工事であった。犠牲者は300余名を数えた。トンネル貫通への情熱にとり憑かれた男たちの執念と、予測もつかぬ大自然の猛威とが対決する異様な時空を、綿密な取材と調査で再現して、極限状況における人間の姿を描破した記録文学ということです。
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見返しにある高熱地帯図です。
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後ろの見返しに、黒部下廊下概念図。
戦争は、海外の国家とするものと思っていましたが、自然そのものとの壮絶な戦いがあってこそ、今の日本の繁栄があるのですね。殉じた戦士たちのご冥福をお祈りいたします。
Posted by ひろかず at 23:56│Comments(0)
│ノンフィクション