いきいきいきよう！

おとといの虹見られましたか？
夕方、天気が雨だった中で、西の空だけ晴れて太陽が横から輝いて雨にヘッドライトを当てたような感じになりました。部分丸は今年よく見ますが、虹の橋になったのはあまり見えませんでしたので、珍しいことでした。昨日の信濃毎日新聞では、街中から撮った写真が掲載されていましたね。映画のようでした。
『虹を掴む男』という作品を想いだします。作家・エッセイストのジェームズ・サーバーの短編小説で1947年に映画化もされています。昔「ニューヨーカー短編集」で読んだことがあります。ある時は歴戦の勇士、ある時は腕利きレーサー、 夢見る中年男ウォルター・ミティ。内気で不器用な、テクノロジーに支配された社会にうまくとけ込めない人への共感を込めた独特のユーモア感覚の掌編でした。デジタル化社会に入り、ますますうまく情報化社会にとけこめない人が増えていると思います。
写真家の世界では、コマーシャルフォトのかたは、デジタルに対応しないと失業しますので、何回もカメラとパソコンを買いなおしてついていくしかないという感じかもしれません。風景写真の方たちは、二分化されていて、もう自分は一生フイルムカメラしか撮らないと宣言している方もいます。デジタルは、１３５ｍｍのフイルムの情報量を超えるまでに画素数が増えていますが、ブローニーにはまだまだ追いつきません。４×５のフイルムにはほど遠い画質です。風景写真などは、大きく伸ばして作品を作る方が多いので、まだまだフイルムカメラは、離せませんね。ラティチュード（明るく飛ぶような露光や、反対に暗くつぶれるような露光を与えても、画像が出来るような特性を「ラティチュードが広い」と表現。このような特性の場合、暗い部分から明るい部分までなだらかな階調が再現できる）の面からみても、ネガフイルムの性能は、デジタルよりも勝っています。一般的にネガフイルムはラティチュードが広く、デジタルカメラのラティチュードは狭いのです。デジタルでは露光オーバーやアンダーで撮影されたものを修復しにくいので、その場で撮影データを見ながら撮影せざるをえません。撮影においてはラティチュードが広い方が扱いやすいのです。
せっかちな忙しい社会では、デジタルに向かう方が当たり前になってきていますが、フイルムカメラへの見直しも必要かもしれませんね。フイルムカメラは、もう生産しないメーカーも増えていますが、大量のアナログカメラの中古市場がありますので、心配要りません。レンズもガラスの場合品質性能が高く、かえって貴重品になると思います。問題は、フイルムの供給ですね。粒状性や品質は、今最高になっていますので、再度メリットを考え直し、フイルムを使う楽しみを味わいたいものです。デジタルデータは、保管にかえって手間とお金がかかるものです。フイルムは、経年変化で退色しても現代の製版のデジタルカラーマッチング技術で元の色を簡単に再現できますので心配要りません。
『虹を掴む男』には夢と現実の融合が面白く描かれていますが、写真の世界では、フイルムを活かし、デジタル技術との融合により、さらに楽しめると思います。


参考『虹を掴む男』 映画の内容：
ウォルター・ミティ（ダニー・ケイ）は出版社に勤めています。彼は出勤途中で車を運転しているときも、職場で会議に出ているときも、しょっちゅう空想にふける癖があり、周囲から馬鹿にされています。反対に、空想の中のミティは、空中戦のパイロットだったり、最先端の手術をこなす外科医だったりして、周囲から尊敬されています。ある日、通勤列車で出会ったロザリンド（ロンダ・フレミング）は、いつもミティの白昼夢に登場する女性そっくりでした。ミティは婚約者（アン・ルサフォード）がいるのにロザリンドに夢中になります。ロザリンドの失踪を機に、ミティはナチスの財宝をめぐる陰謀に巻き込まれ、怪しげな精神科医（ボリス・カーロフ）らに立ち向かって行くのでした。
（ショッピングソムリエ・れーめんのお買い物ブログより引用
http://lounge.plaza.rakuten.co.jp/CDDVD007/）

虹の写真は、Ｄｉａｎａ＋Ｆ　フィッシュアイレンズ２０ｍｍ　にて撮影　1/60秒　絞りは曇りマーク