2010年03月17日
薔薇空間

宮廷画家ピエール=ジョゼフ・ルドゥーテ(1759- 1840年)の作品を中心に「薔薇空間」が松本市美術館で開催中です。2010年4月4日[日]まで。ルドゥーテが唯一表現できなかった薔薇の「香り」の演出も加え、本物のバラ園とはまた別の魅力を持つ華麗なる「薔薇空間」を出現させています。ボタニカル・アートの天才画家は、手の込んだ技法で多くの植物画を描いています。白い薔薇を白い紙に表現するのはいかなる技法を使っているかなど、わかりやすく解説されていて勉強になりました。

フランス革命の動乱期に、マリー・アントワネットとナポレオン妃ジョゼフィーヌに仕えた宮廷画家ルドゥーテですが、いろんな革命を経て、薔薇は庶民でも楽しめるようになったのですね。
もうすぐ、桜が咲きますね。桜も昔は権力者の楽しみでした。江戸時代末期に、庶民にも楽しんでほしいとソメイヨシノを全国に普及させた人がいて、こんなに楽しめるようになったといいます。種ができない特性のソメイヨシノは人間の手によって以外に広まる手立てがありません。元をたどれば、たった1本のソメイヨシノです。
齋門富士男がバラに魅せられて撮った写真も壁一面に展示されていて、圧巻でした。200数十年前に描かれた薔薇も、撮られた薔薇ももうこの世には存在しませんが、こうして作品として光り続け、日本全国の人たちを楽しませているのは、素敵です。
Posted by ひろかず at 00:05│Comments(0)
│花香る日