信州そば道20 レストハウス木曽路

ひろかず

2011年06月21日 07:15


木曽のそばは、色が黒くていかにもそばらしい趣があります。
ここは、レストハウス木曽路。木曽路きってのドライブインです。なぜかというとここは国の名勝に指定されている寝覚めの床の真上に位置していて、食事をしながら絶景が観れるのです。


朝の連続テレビドラマ「おひさま」で番組の終わりに長野県の景勝地紹介として寝覚の床が出ていました。奈良井宿などロケにも使われていて木曽も観光客が増えています。
ここは、木曽川の水流によって花崗岩が侵食されてできた自然地形です。かつては急流でしたが、上流に設けられた木曽ダム(1968年に運用開始)などにより水位が下がったため、水底で侵食され続けていた花崗岩が現在は水面上にあらわれています。水の色はエメラルドグリーン。子供の頃からよく電車でこの横を通る際にエメラルドグリーンがチラッと見えて、うとうと寝ていたのがパッと目が覚めますね。
長野県歌「信濃の国」の4番にも「旅のやどりの寝覚の床」とうたわれています。

寝覚の床の中央にある「浦島堂」は、浦島太郎が弁才天像を残したといわれています。
浦島太郎伝説のなかで寝覚の床には、浦島太郎が竜宮城から帰ってきた後の伝説が残っています。
浦島太郎は竜宮城から地上へ帰りましたが、まわりの風景は変わっていて、知人もいないので寂しくなり、旅に出ることにしました。旅の途中、木曽川の風景の美しい里にたどり着き、竜宮の美しさを思い出し、乙姫にもらった玉手箱をあけてしまいます。玉手箱からは白煙が出て、白髪の翁になってしまいました、とさ。
浦島太郎には、今までの出来事がまるで「夢」であったかのように思われ、目が覚めたかのように思われたのでしょう。このことから、この里を「寝覚め」、岩が床のようであったことから「床」、すなわち「寝覚の床」と呼ぶようになったといいます。

芭蕉の句に「義仲の寝覚めの山か月かなし」という句があります。芭蕉も寝覚を通っているので、ファンであった義仲を木曽路で偲んだことでしょう。句碑をぜひ建ててみたらと思います。

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