ビキニ環礁(ビキニかんしょう、Bikini Atoll)は、マーシャル諸島共和国に属する環礁。23の島嶼からなり、礁湖の面積は594.1平方キロメートル。1946年から1958年にかけて、太平洋核実験場としてアメリカ合衆国が67回もの核実験を行ったことで有名です。日本の福島第一原発の放射能が世界で迷惑扱いされていますが、これらの核実験による世界放射能汚染に比べれば、たいしたことではありません。
2010年、第34回世界遺産委員会において、UNESCOの世界遺産に登録されました。マーシャル諸島共和国初の世界遺産となりました。負の世界遺産と言われています。
ビキニ環礁の核実験場跡(マーシャル諸島)
ビキニ環礁の衛星写真 - NASA NLT Landsat 7
アメリカは広島・長崎に原爆を投下した1年後、1946年7月、史上4番目の原爆を中部太平洋マ-シャル諸島の、ビキニ環礁で爆発させました。
以後13年間にビキニ、エニウェトクの二つの環礁で66回の核実験を行うことになります。
1954年3月1日ビキニ環礁で行われた、米国の水爆実験「ブラボ-」は史上最大の15メガトン。広島原爆の1,000倍のウルトラ水爆でした。
周辺海域で操業中のまぐろ漁船、第五福龍丸など日本の漁船1,000隻以上が被曝しました。
ビキニから180km離れたロンゲラップ島民は避難させられずに、激しい衝撃波と爆風、そして放射能を含んだサンゴの粉が島中に降り積もりました。子供たちは初めてみる雪のような白い粉を身体にかけて遊んでいました。やがて激しい嘔吐、皮膚の炎症、脱毛などの急性放射能障害が島民を襲ったのです。
実験当時島外で無事だった人も、汚染されたヤシガニやパンの実、魚などの食物などを通じて内部被曝をしてしまいました。
その後、島民は奇形児や流産などの異常出産、甲状腺ガンや白血病で次々に斃れていきました。
2008年4月、オーストラリア研究会議(ARC)は、ビキニ環礁のサンゴ礁の現状について発表しました。その発表によると、ビキニ環礁面積の80%のサンゴ礁が回復していましたが、28種のサンゴが原水爆実験で絶滅したといいます。
核実験なので、実験を行なう前の様子もちゃんと記録してあるのですね。迷惑な実験があったものですね。
周辺の島の人々のその後の被曝状態も実験としてアメリカ合衆国では調査していますが、治療していくわけではありません。酷いものです。
渡部陽一さんによって戦場のカメラマンたちが身近になりましたね。戦場のカメラマンの中でも森住卓さんは、このビキニ環礁原水爆実験の後遺症に苦しむ周辺の島国の方々を取材したり、最近は東日本大震災の状況をくまなく丹念に撮影されています。HPやブログでぜひご覧ください。ご活躍をお祈りいたします。
楽園に降った死の灰 マーシャル諸島共和国
森住卓さんホームページ
http://www.morizumi-pj.com/bikini/bikini.html
森住卓さんのフォトブログ
http://mphoto.sblo.jp/